5. 調査研究の進め方
自己復正型及び天幕付両面型救命いかだに要求すべき性能要件及び対応する試験基準について検討し、核となる基本要件を導き出すと共に、実現する可能性のある基本構造のアイデアを収集する。
それらの中から、いくつかの基本構造について実現可能性を検討し、今後研究すべき基本構造を選定する。
次に、その基本構造を基に、他の性能要件等を考慮しながら、救命いかだの全体構造について検討した後、試作品の設計を行う。
作製された試作品について、主要性能の試験及び評価を行い、必要な改良を行う。
6. 性能要件の検討
対象とする救命いかだの種類は、第1種膨脹式救命いかだ(進水装置用以外のもの)とし、型式承認試験基準をべースとして考える。但し、1998年以降に発効する予定の白己復正型及び天幕付両面型救命いかだに対する追加要件並び救命いかだ全般に対する性能要件、試験基準等の改正内容を考慮して検討する。
6.1 自己復正型救命いかだに対する要件及び試験基準
(1)自己復正型救命いかだに対する性能要件は、1998年7月に発効予定のLife−SavingAppliance Code(以下LSAコードと表記する)に規定されている(1)。
その内容を表1に示す。LSAコードとは、現在のSOLAS第?章パートCに規定されている救命設備の要件が新たにコードに移行したものである。
自己復正型救命いかだに対する試験基準は、A.689改正案として、現在、IMOにおいてその内容が検討されている(2)。その内容を表2に示す。
(2)水中膨脹試験の実施方法について
表2に示す水中膨脹試験の方法及び目的が不明確であったことから、IMOにおける審議状況を調べた結果、以下のような議論がなされている。
即ち、通常のフロートフリー作動では、救命いかだは水上で膨脹するのだから水上膨脹で良いのではとの意見がデンマークより出されたところ、それに対し、英国より、この試験の主旨は水
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